体内の不調が原因で起こるようなアトピーは、遺伝的・体質的な特性によるものが多いという話を前回しました。
では、アトピーになりやすい体質(遺伝的・体質的な特性)は変えることができるのか?手軽に自分で工夫できないものか?
アトピー患者全員が知りたいことだと思います。
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その役割を果たすのが『サプリメント』です。
栄養療法では、患者のDNAや血液を調べて遺伝的・体質的に不足しやすい栄養素を特定し、それをサプリメントで補完します。
体調を根本から整えていくという漢方(中医学)にも似たアプローチを持ち、一部保険対象にもなっています。
ここでは、サプリを用いる効率的な方法、メリットなどをお伝えします。
もくじ
アトピーにサプリを用いると、どうして効率的なのか?
栄養学の観点では、自分の体に合ったサプリを継続して摂ると体調が少しずつ整えられていくと考えられています。遺伝的・体質的・環境的に不足しやすい栄養素を補給できるからですね。
食生活だけでは変わりにくいと感じる人には良い選択と言えると思います。
ですが、じつはアトピー対策にサプリメントを用いることのメリットはこれだけではありません。
体の内側が不調になってアトピーになっているとしたら、それがあなたの体質的な弱点であり、またいまの生活環境ではその弱点を克服しにくいということを意味します。
そこで、サプリを継続して摂るようになると「自分はサプリで○○を摂っているけれど、食べ物でもなるべく摂れるようにしよう」とか「△△は食べるのが苦手だからサプリで補っておこう」といったように自分の食生活を客観視できるようになっていきます。
サプリは自分の生活環境を見つめ直すきっかけにもなる
さらにサプリについて知識が深くなっていくと「○○と△△は相乗効果があるから、一緒に摂れる料理にしてみよう」と自然と食生活にも意識が向くようになります。
自身の体調に、より配慮できるようになるのです。
これがサプリを摂ることのメリットとなるんですね。
あなたの生活環境にも、何か不調につながりやすい弱点があるのかもしれません。夜更かし、便秘、肉ばかりの食事、ストレス・・・
全般的な生活に意識を向ければ、より自分の弱点がハッキリと掴めるようになり、そこに責任を持てるようになるのではないでしょうか。
ちょっと大きな話のように感じるかもしれませんが、自分の行動に責任を持って管理を続け、ゴールを設定すれば自ずと結果はついてくるものだと思います。
ただ、闇雲にサプリを探ってみても、すぐに改善するのは難しいかもしれません。2年近くもサプリを飲んでいるのにぜんぜん変わらず、むしろアトピーが悪化するなんて、シャレにもなりませんからね!(←体験談)
そこでオススメなのが、サプリをはじめとする生活環境をまるごと管理すること・・・なんですね。
管理の王道『PDCAサイクル』をあなたのアトピー管理に取り入れよう!
『PDCAサイクル』という言葉をご存じでしょうか。
生産管理の現場で使われる用語で、つねに改善を加えることで、よりよい商品やサービスを生み出す『継続的な品質改善法』のことを指します。
ビジネス用語ではありますが、アトピーのように慢性的に続いたり、ある状況下において繰り返し悪化するようなナゾめいた現象を改善するのに役立つと思いませんか?
それでは、PDCAについて以下に簡単にご説明してみます。
P
PLAN
(計画)
D
Do
(実行)
・不足しやすい栄養素を調べ、計画を立てる
・計画通りサプリを摂取する
C
Check
(評価)
A
Action
(改善)
・当初の計画に沿っているか
・変化はあるか
・不満足な点を洗い出す
・さらなる改善点があれば計画を練る(→P 計画へ)
サプリで健康管理をしようとするときには、このようにサプリ計画を立てて、実行→評価→改善までを管理してしまうとかなりラクになります。
ラクなのに、実践しやすく、かつ効率的!!
何年もアトピーを繰り返しているようなら、翌年の対策案にもなります。
人間ってけっこういい加減なもので、一年前のことって意外と忘れているものです。
なので、前年と同じ間違いを繰り返すことも防げますよ!!
どうですか?
取り組んでみたくなりませんか?^^
また、サプリを飲んだことがある方は感じたことがあるかと思いますが、アトピーケアに活かすにはサプリの種類によっては長期的に継続することがオススメされていることは多々あります。
そこで長期継続を覚悟して飲み始めるけれど、やっぱり途中で挫折してしまうことがあります。
これは正直、もったいないです。継続するのが大事と言われているものは続ける方がいいと思います。
(私の場合、2ヶ月変化なしで3ヶ月後からジワジワ・・というケースもありました。)
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長期的といっても自分なら何ヶ月まで続けられそうか、資金的にはどうか、どこまでは続ける予定かなど、あらかじめ計画を立てておくことで、途中で挫折してしまうことも少なくなるかと思います。
まずは簡単なカレンダー管理だけやってみよう!
アトピーのPDCA管理は、カレンダーで管理するのが便利です。
ノートにするとごちゃごちゃして一気に面倒になるので、カレンダーでちゃちゃっと管理していきましょう。
アトピー専用に手帳(簡単にメモできるページ付き)を100均などで買って、毎日のサプリ摂取はカレンダー欄、PDCAについてはメモ欄にじゃんじゃん書き込んでいくのがいいですよ!^^
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また、一部のサプリは定期購入などもあるので、カレンダーを使うと定期の管理も明確化しやすくおススメです!
私自身、以前は定期の解約期限をうっかり忘れて無駄に買うハメになったりしていましたが、うまく管理できるようになりました。忙しい方のサプリ管理にも役立ちます。^^b
今お持ちの手帳を使いたい人や書き込むのが面倒な人は、サプリの栄養素を記号化しておけば周りの人に見られても変な目で見られずに済みます。
(ビオチン→B、ビタミンC→VC、乳酸菌→Pなど)
おわりに
アトピーケアにサプリを用いることは、自分を見つめ直す良い方法です。
自分を見つめ直す方法といえば、食生活や生活環境などを変えるのも良いことですが、生活を変えることは効果が少ない割に自分の精神には大きなストレスになることもあります。
通販サイトでしか買えないオーガニックフードなどの特別な食品にはお金もかかります。
(さらに言うと、糖質などの食事制限はハッキリ言ってツライです)
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まずはサプリのように、あなたにとってハードルが低く、手頃な方法から取り組んでみるのがオススメです。
アトピーにはストレスも大敵です。あなたのできる範囲で、はじめていきましょう!
なお、どんなサプリが自分に合いそうなのかを知りたい方は、病院で検査を受けることもできます。いわば『医師が管理してくれるPDCAサイクル』ですね。分子栄養学を扱う病院で受けることができます。
ある程度お金が必要になりますが、資金に余裕のある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。検査内容など、詳細は別のページでまとめます。
この記事の補足
冒頭で「DNAを変えることは不可能」とご説明していますが、結構ニアなところまで行っているのが、腸内細菌の移植でしょうか?
健康な人の便から腸内フローラを抽出して患者へ移植する施術です。(食事中の方ごめんなさい。)
地球上のものほとんどに過敏で食事すらできない重度のアレルギー患者を対象に試験的に行われていて、一定の効果を発揮しているようです。
この話はまた今度。
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ただ1つ言えることは、一般治療のロールモデル化はしにくいようです。
便から移植といっても「健康な人の検体」なんていっても実際は厳しいようです。(半年間健康、既往歴・手術歴・服薬歴、年齢制限)
こういった最新鋭の医療情報を鵜呑みにして期待していても、翌年にはあっさりとポシャっていて無駄にガッカリさせられることもあります。
アレルギーも栄養療法も、まだまだ発展途上のようです。
サプリを選ぶ際は、ある程度ヒト試験や使用ユーザー数が多くて、効果が広範囲で確認されているようなものを優先的に試していくのがオススメです。