アトピーの対症療法に疲れ果ててたどり着くのが、医療機関で受けられるというウワサの「ビオチン療法」ですよね。ビオチン療法はネットユーザーの間でも人気が高いのですが、ネットの情報って不確実じゃないですか(このサイトも含め)
なので、情報だけは参考にしつつも、やはり出来るだけ「お医者さんに診てもらいたい」と思いますよね。ただ、実際には、病院でビオチンを処方してもらえるのってちょっとレアなケースなのかもしれません。という体験談を今回はお伝えします。
私は、娘の乳児湿疹がアトピーに移行してしまった頃(生後4ヶ月くらい)、娘を連れて皮膚科や内科を受診してみたことがあります。「保険適用もあるし、やっぱりお医者さんに処方してもらうのが一番!」と考え、ビオチン療法を求めて皮膚科へ3件、漢方内科へ2件、小児科へ2件。
結果・・・ビオチン療法を施してくれる医療機関はゼロでした。悲しいですよね・・・初診料とか払ってますよ。。。でもダメなんですよ。。
というわけで今回は【なぜ、私たちが病院でビオチン療法を断られたのか?】についてお話しします。特に、ご自身で脱ステロイド、民間療法などを実践されているけれど、ビオチンは処方してもらえないの?と不安な方は参考にしていただけると思います。
もくじ
生後4ヶ月の娘と、私のアトピー治療のために病院を受診しました
まずはネットでリサーチをしました。「皮膚科 ◯◯駅 ビオチン アトピー」ってな感じで検索です。そうすると、「ビオチン療法やってます」と案内しているホームページが出てきます。確認のため「ビオチン療法が希望ですが、取り扱いありますか?」と電話で尋ねると、もちろんやってますよ。との回答。いざ受診してアトピーの状態を診ていただくと・・・
皮膚科医からはビオチン療法ではなく、結局ステロイドを処方されました。
ネットで散々調べて、暑い中赤ちゃんを抱えて電車を乗り継ぎ、数時間待って受診しても、このように残念な結果に終わってしまいました。
皮膚科へ3件、漢方内科へ2件、小児科へ2件。7件中、ビオチン療法を施してくださった所はありませんでした。
ちなみに、うちは2件目以降、処方ごとにお金がかかるので、処方を出していただかないよう丁重にお願いしました。
アトピー「には」ビオチン療法じゃない。
ビオチン療法を求めて行ったのにつっぱねられたことについて、最初は憤りを感じたのですが・・・
じつは病院で「アトピーに対してビオチン療法が施されるのは、レアなケース」ということでした。
「ビオチン療法取り扱いあり」と大々的にHPで宣伝しているような皮膚科でも、このように書かれているんですよ。
通常の治療でいつまでも効果が見られない方には、一度試してみてよい治療法ではないかと考えます。
分かります?この言葉。
「アトピーにはビオチンがおすすめです」と言っている訳ではないんですよ。
漢方内科でお聞きした話を元に、もっと詳しくご説明します。
アトピーの標準治療=あくまでもステロイド。
現在の医療ガイドラインでの標準的な治療法は「アトピーの治療=ステロイド」であって、アトピーを診たならまずはステロイド治療が第一選択肢です。そして、ステロイドを塗っても、ランクを上げても、それでもなかなか治らない場合は次の治療法の一つとして「抗ヒスタミン薬の服用」が挙げられます。これが皮膚科のスタンダードなんです。つまり、アトピーの標準治療=ステロイド。
なので、まずは標準治療であるステロイド、抗ヒスタミン剤を使用することが必須。で、それでも全然治らない場合にだけ、"ステロイドに加えてビオチンを"試してみてもよい、ということ。つまり皮膚科のスタンスとしては、「ビオチン療法は、ステロイド治療の代替法にはなり得ない」という解釈ですね。
「ビオチン療法」=万人に効く薬ではない。
所詮、ビオチン療法は、栄養療法。
ステロイドのように万人に効く薬ではないんです。
確かに、アトピーの原因が栄養不足(または腸内環境の悪化)と直結していた場合は見違えるほどに効果を発揮することがあるようです。例えばネットでも、赤ちゃんの場合はビオチン療法だけでよくなったとか、消化機能を改善する漢方「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などだけでよくなったとか、色々な改善例を見ますが、これって、あくまで「ラッキー的に治っちゃった例」だそうです。
栄養療法は東洋医学と一緒で「体質」に寄り添うものなので、万人に効く保証がない。つまり「エビデンス(医学的根拠)が乏しい」のです。
これが、「ビオチン療法」が医療現場においてアトピー治療のスタンダードにならない理由。
それに対して、アトピー治療のスタンダードである「ステロイド」や「抗ヒスタミン薬」は、今ある症状「痒くて夜も眠れなくて死にそうな状況」をまず沈めるために用いられます。
ステロイド薬の添加物にアレルギーのある人は特定の軟膏が使えなかったりするようですが、基本的にはステロイドを塗れば炎症は抑えることができます。こうなると、今ある湿疹にステロイド薬を使うことが、患者さんにとって一番有益だということは明らかです。
だって、薬を塗れば、2〜3日でみるみる痒くなくなって、夜も眠れるようになって、元気に会社や学校にも行けるようになるから。(はたから見ると。)
いかに患者の苦しみを、より早く、安全に取り除くか?が西洋医学の根幹ですから、お医者様がこのような策を取るのは当たり前といえば当たり前となります。
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「医学」と「栄養学」は別物
アトピーになって間もない方や、これまであまり通院してこなかった方にとっては、混同しがちな部分だと思いますが、
「医学(対症療法)」と「栄養学(根治療法)」はまったく別物です。
ここを心に留めておけば、ステロイドだって抗ヒスタミン薬だって怖がらずに使えるしサプリにも妙な期待はしないんですよね。
たとえば、
- 普段は「栄養学(根治療法)」を頑張るけど、
- 季節などにより症状が悪化したら「医学(対症療法)」で鎮火する・・
など、ある程度使い分けできるようになっていきます。ここまでなるのに私は4年かかりましたけど・・・
サプリは妙薬じゃないです。限界はあります
サプリ療法は使うサプリによりけりですが、本当〜〜〜に個人差が激しいです。(たとえば乳酸菌やマルチビタミンは多分万人に効果があるけど、亜鉛とかセレンとかは人によって効果が激しいなど)
「ビオチン療法をやったら肌はめちゃ強くなったけど、痒みは一向に減らない」という口コミを多く見かけますし、当ブログの読者さんの中でもこういう方がいらっしゃいます。サプリの限界ってこういう所にあるんですよね。
これはどういうことかというと、ビオチンは確かにコラーゲンの元のになったりして肌を強くしますが、痒みは別物。痒みは体内の炎症なので「炎症を抑えるサプリ」が必要になるんですが、「万人に効く、痒みをすぐに沈めるサプリ」は無いです。
「血液ドロドロが原因?」と思ってDHA・EPAサプリをとると逆にアトピーの炎症の箇所が広がったりするので(炎症が血流に乗ってバラまかれちゃった結果)、サプリ選びにおいての判断ミスは、結構侮れない所もあると思います。(*サプリの栄養素にもよります)
このサイトを運営して半年以上経ちますが、お問い合わせをいただく中でも人それぞれのようです。
つまり、医者にも頼れない、サプリも人それぞれ。じゃあどうしたらいいか?というと・・・
「栄養学」はまだまだ未熟。自分で知識を身につけるべし!
これだけ数年前から「腸内環境」「免疫バランス」と言われているのに、まだまだ「アトピー=栄養不足」という認識は薄いように感じます。
最近は「分子栄養学」という考え方が有名になってきたこともあって、アトピーさんの体の状態を分子栄養学的に解析して、効果的なサプリ療法を行なっていく・・・という方法も選択肢として上がってきましたけれど、まだまだ保険適用のされない「民間療法」の域を出られないため、万人が受けられる治療法ではありません。
医学では「エビデンス(医学的根拠)」が全てであって、個人の体験(つまり民間療法での治験)はエビデンスにはならないとされているからですよね。
↓これは食事に関する本ですが、この本には「エビデンスが大事」とハッキリ書いてありました。
(※この本のレビューはまた後日・・・)
これからは、なんでも自分で知識を身に付けなきゃダメなんでしょうね。
ステロイドだって、お医者さんの言うことが本当に正しいかどうか考えないといけないし・・・。
私は毎月、娘の保湿剤をもらいに皮膚科へ行くのですが、私が実際に娘の服をめくって見せるまで、医師は率先しては患部は診てくれないんですよね…。
私たちが必死こいて実践してるサプリ療法も、お医者さんからしたら「無駄なあがき」なのかもしれないです。でも、少しでも可能性があるなら、チャンレジあるのみです。特にビオチン療法で使うサプリは、「水溶性ビタミン」だったり「腸内環境改善」のためのサプリなので、体に良いことには違いないはず。
ビオチン療法は、お肌は本当に強くなり、掻いた時に破れにくくなっていくので、おすすめです。
ちなみですが、嬉しい誤算として、まつげが伸びたり、おでこに産毛がワサ〜っと生えてきたりしますw
アトピーはとても敏感な病気なので、体調を見ながら進めていけたらいいですね。^^
■参考
ビオチンサプリについてはコチラをご参照ください。
>「ビオチンサプリ」記事一覧
>「子供用サプリ」記事一覧