安眠のための環境整備

【"アトピーに良い眠り"とは】睡眠時間がアトピーのリスクになる?!論文紹介

アトピーなどで体調が悪化していると、睡眠時間は足りているのか?足りない分は寝溜めすればいいのか?など色々なことが気になりますよね。
今回は「アトピー・喘息と睡眠時間の関係を示す研究」についての論文を見つけたので、研究内容をご紹介します。
多めの人数を対象にした研究なのでけっこう面白いですよ。^^

補足)「睡眠不足」は寝溜めでは取り返せません。そのロジックは別のページでまとめています。
>参考:【睡眠負債のリスク】アトピーにどんな影響が?危険性と解消法まとめ

それでは、睡眠時間とアトピーの研究、いってみましょう!
 

(論文引用)女性の睡眠時間、不足も過多も体に悪い

女性の睡眠時間、不足も過多も体に悪い
〜アトピー性皮膚炎や喘息のリスクに〜
寝不足が続いて目の下にクマが・・・とか、プツプツと吹き出物が・・・
など、朝、鏡で自分の顔を見て凹んだ経験のある女性も多いのでは。
睡眠不足は女性のお肌にとって大敵だが、どうやら大敵なのはお肌だけではなさそうだ。
韓国の順天郷大学校をはじめとする研究グループによると、
若い女性は、睡眠時間が5時間以下もしくは9時間以上だと、アトピー性皮膚炎や喘息の発症リスクが高まるのだという。
■寝不足の女性はアトピー66.5%、喘息55.3%のリスク上昇
睡眠時間がアレルギー疾患に影響を及ぼすと言われているが、これについて、より詳しい調査が求められていた。
そこで、研究グループは、2008~2010年に行われた韓国の国民健康栄養調査から、19~39歳の男性4,239人、女性5,909人のデータを抽出し、睡眠時間とアレルギー疾患との関連について調べた。
睡眠時間は自己申告によるもの、アトピー性皮膚炎と喘息の発症は記入した質問票から調べた。
その結果、女性の場合、アトピー性皮膚炎の発症リスクは、
睡眠時間が7時間の人に比べて、5時間以下の人では66.5%、9時間以上の人では74.6%、それぞれ上昇した。
また、喘息の発症リスクは、睡眠時間が7時間の人に比べて、5時間以下の人では55.3%、9時間以上の人では56.9%それぞれ上昇したという。
ところが、男性にはそうした関連性は見られなかったという。
参考:あなたの健康百科

 
割とシンプルな記事ですが・・・
この研究のポイントを抜粋すると、

  • 研究は韓国の大学研究チームにより行われ、研究対象が19~39歳の男性4,239人、女性5,909人と、割と大規模の研究である。
  • 女性は、男性と比べて睡眠時間によりアレルギー症状が左右されやすい傾向にある。(理由は不明)
  • ベストな睡眠時間は7時間。それより多くても少なくても、アレルギーリスクが高まる。

こんな感じでしょうか。
睡眠時間が多すぎても少なすぎてもアトピーが悪化する、というのは私たちも気をつけたいトコロですね。
睡眠負債の記事でも書きましたが、やっぱり20代〜50代には7時間がベストで、それより多くても意味ないってことなのでしょうかね。^^
 
また「アトピーが喘息と同じアレルギー症状としてくくられている」のもポイントかもしれません。
アレルギーは互いに症状を強めやすいものですからね。
うちの娘も私も、始めはただのアトピーだけだったはずが、風邪をひくと途端に喘息になりやすくなります。
かと思えば、娘も私も、アトピーが治ってからは花粉症も軽くなったので(体内のアレルギー反応が落ち着いている証拠?)アレルギーって本当に不思議なものだなぁと思います。
 

睡眠不足でアトピーが悪化する規則性の課題点

ただ、この研究自体、まだ未完全な部分が2つほどありますね。

  1. 男性には関連性が見られず、なぜ女性だけが悪化する??
    →その理由を解明してほしい!
  2. 7時間の人に比べて短い5時間以下で発症リスクが上昇するのは理解できるとして・・・
    →では9時間以上の場合も上昇するのはなぜ??その理由を解明してほしい!

というわけで真実を知るべく、この論文の原文を調べてみました。
 

論文の原文

論文の原文は、コチラにストックされています。英文が読めなくても、google翻訳などを利用すれば要旨はつかめると思います。

原文の冒頭の研究背景↓

BACKGROUND:
Sleep duration affects allergic diseases; however, this association requires further investigation.
(訳) 背景:睡眠時間はアレルギー疾患に影響する。しかしながら、この研究は更なる調査が必要である

原文の結論↓

CONCLUSIONS:
Sleep duration ≤5 and ≥9 hours may be a risk factor for atopic dermatitis and asthma in young female adults.
(訳) 結論若年の成人女性において5時間以下と9時間以上の睡眠時間はアトピー性皮膚炎とぜんそくのリスク要因となり得る

やっぱり、この研究結果はどこか具体性に欠けていて、「そうであることがわかった」だけなので、実際にどう対処していくかは個人の努力次第・・・といったところでしょうか。
唯一、今回の研究対象が1万人を超える被験者から得られたデータであることはとても良いのですが、ただ、どの程度まで深く調査したのか、調査方法においても詳細が何もないので、あくまでご参考程度にとどめておいてくださいね。^^
最後に簡単に論文の要旨をまとめておきます。
 
■アトピーにベストな睡眠時間は・・・

  • 若い女性(19歳〜39歳)は7時間!
  • 男性での優位性はみられず
  • 5時間以下、9時間以上はNG!

余談ですが、この論文のストック先である「PubMed」は医学的な研究論文を掲載しています。
こういった記事の他にも「喘息とカンジダ菌の関係」とか「抗生物質とカンジダ菌の関係」とか、「乳酸菌の種類と消費されるビタミンの種類の関係」とか・・・
日本のお医者さんが発信している情報も、根拠として「PubMed」の情報に基づいて行われているものもよく見かけますね。私はいつもここから情報をゲットしたり、論理的証拠をコネコネ&自分なりに解釈したりして、このサイトを更新しています。
アトピー情報に限らず、健康や医療に関する情報にはよく「エビデンス(医学的根拠)」という言葉が出てきますが、お医者さんはこういった論文から根拠の確実性を導き出したりしているんですね。
興味のある方はぜひ参考になさってください(^^)♪
 

補足)「睡眠の質」に自信、ありますか?

今回はただ単に「7時間」という数字に着目してみましたが、7時間を満たしているけれど朝ぐっすり寝た感じがしない場合は要注意です。
ちゃんと寝ているけどアトピーが全然治らないという方は・・・
「睡眠の質」が低下している可能性があります。
私もアトピーが酷かった時も、これが一番の悩みでした。
そもそも痒くて眠れないから、睡眠時間は2時間だったんですけどね(涙)
 
ちなみに、「睡眠の質の低下」はどんな事で分かるかというと・・・

  • 夜の寝付きは良いけど、途中でどうしても起きてしまう。
  • 布団に入って〜朝起きるまでは7時間だけど、布団に入っても痒くて2時間は寝付けないから、実質は5時間以下かも・・
  • 夜明けごろ、どうしても一度起きてしまい、かきむしってしまう。
  • 二度寝するにも、痒くて目が覚めてしまう。

こんな状況が当てはまるそうです。
 
数年前に「眠れない時は、少なくとも目をつぶれば脳は休まる」というウワサが広まりましたが、最近の研究では「目をつぶっても全く意味ない」という結論が出ています。(TT)
体は休まるのですが、体の機能まで回復させるには、きちんと睡眠状態にならないとダメだそうですよ。^^;
アトピーは身体中からのSOSサインです。熱が出る代わりに皮膚に湿疹が出ています。
アトピーをよくしたいなら、何が何でも「質の良い7時間睡眠」を実現しないとダメ!ですよ。
 

「睡眠の質」を高めるために工夫しましょう

アトピー療養中に睡眠の質を高めるには、こんな事を試してみると良いです。

  1. 「抗ヒスタミン薬」(ザイザル・アレロック・ロラタジンなど)を飲む
  2. 「睡眠導入剤」(ドリエルなど)の薬を飲む
  3. 「安眠ハーブの入ったサプリ」を飲む

このいずれかで対策を取りましょう!
私は4年間のアトピー闘病中、まず①抗ヒスタミン薬をやりましたが、次第に薬が効かなくなってきたのと薬漬けになるのが怖かったので、③安眠ハーブのサプリへ切り替えました。
(②睡眠導入剤は依存性があるとの話だったし、当時はまだ授乳中だったのではじめから除外。)
結果的に、③安眠ハーブのサプリは処方薬と違ってクセになりません。私の実体験では5ヶ月毎日飲み続けた後にアトピーはほぼなくなり、サプリの量を減らせるようになりました。
サプリは薬じゃないので、依存が怖い方にもオススメできますよ!!(^^)
ちなみに、今、抗ヒスタミン薬を服用していて中止したい人は、主治医の医師と相談しながら進めていくとよいと思います。
 

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